わたしたちの活動

わたしたちの活動

低線量地域で生きる牛たちの体に何が起きているのか

多角的に調査・研究を継続していきます

福島県は東北の被災地の中でも原発事故の影響を受け

抱えている問題や課題も他の地域とは大きく異なっていますが

被災した現地で、農家と研究者が協力して活動することが

農業や畜産の復興に直結すると考えています

各々の立場から何が出来るかを考え

復興の架け橋となるコミュニケーションをつくることも

わたしたちの大切な活動のひとつです

March 11, 2019

大津波をともなったあの東日本大震災から8年が経過しました。

    

8年前の3月11日、午後2時46分には、私は勤務する大学の卒業祝賀会で挨拶をしている最中でした。青森県十和田市でしたが、揺れは大きくて直ぐに停電したため、祝賀会の中止を宣言し全員を安全な場所に誘導して、事務方には全学生の安否確認をするよう命じました。地震が多い土地柄でさえ経験したことがない大きい地震でしたし、停電も継続しましたが、直ぐに原発事故を想像することは出来ませんでした。

   

原発事故後、私の研究室の教員には直ちに調査を依頼しましたが、私自身が旧警戒区域内に入ったのは、1ヶ月が経過した頃でした。浪江町や双葉町では古い家はつぶれ、津波のあともすさまじいものでした。津波で流されて平らになった土砂の下には、まだご遺体が残されているのではないかと想像すると、胸が張り裂けそうでした。それらの光景もショックでしたが、放射線測定器の示す数値をみてさらに深刻な気持ちになったことを今でも忘れることは出来ません。

           

それから8年、当時仙台市で幼稚園児だった孫娘は、まもなく中学2年生になろうとしています。粉ミルクを溶かすお湯が入手しにくく、お腹を空かせて泣いていた孫息子は、小学3年生になろうとしています。時間は十分に過ぎたかもしれません

首都圏でも大きな揺れで被害が出ましたが、いまでも被災地で続く原発事故の影響を想像できる方は少ないようです。しかし、被災地では、未だに多くの問題が残されたままになっています。

     

震災直後、事故原発から20キロ圏内の牛たちは移動ができず。殆どが安楽殺処分となりましたが、現在でも一部が農家の方々に守られながら生き続けています。本研究会メンバーは、被災した畜産農家や地元獣医師と協力して、残された牛の健康調査を続けながら生育環境との比較研究を行ってきました。

              

今年の春分の日、3月21日(木・祝)には、本研究会の調査・研究活動で得られた成果のうち、約8年に及ぶ調査・研究結果の一部を公開シンポジウムで報告いたします。ご興味がおありになる方は是非、3月21日午後、福島駅前の「コラッセふくしま」にお越し下さい。

          

一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会

代表理事 伊藤 伸彦

    

[シンポジウム開催詳細こ...

February 8, 2019

東日本大震災と福島第一原発事故から8年が経過します。

被災地の外では事故の記憶の風化が進みつつある一方で、福島の農・畜・水産物に対する風評は根強く残っています。

本研究会は「復興支援」を目的として、東日本の大学研究者を中心に日本獣医師会のバックアップで、2011年に結成されました。

震災後、事故原発から20キロ圏内の牛たちは移動ができず震災から8年経つ今になっても、その一部が農家の方々に守られながら生き続けています。

本研究会メンバーは、被災した畜産農家や地元獣医師と協力して被災地に生きる牛の健康調査と、生育環境との比較研究を行ってきました。

このたび、本研究会の調査・研究活動で得られた成果のうち大動物における放射性物質の体内分布、体内動態のデータなど、福島原発被災地域にかかわる、約8年に及ぶ
調査・研究結果の一部を公開シンポジウムで報告いたします。

ひとりでも多くのみなさまのご来場をお待ちしております。


■2019年 公開シンポジウム
『帰還困難区域における被災家畜と環境:原発事故後8年間の軌跡』
場所:コラッセ福島(JR福島駅西口より徒歩3分)
 http://www.corasse.com/access
日程:2019年3月21日(木・祝)

     

<シンポジウム>
会場:4F 多目的ホール
開場: 13:15 (受付開始)開演: 13:30 終演: 16:50
参加費 : 無料

    

<写真展 同時開催>
〜震災から8年 いのちが教えてくれたもの〜
時間:11:00 〜 16:50  会場:4F 402B

   

   

【特別講演】
農業現場での原子力発電所事故による放射能- 対策と課題 -
  農研機構東北農業研究センター 福島研究拠点
  農業放射線研究センター センター長 信濃卓郎

    

     

【帰還困難区域における家畜と環境】
1.黒毛和牛の福島第一原発事故以来過去8年間の被ばく状況 
    北里大学獣医学部 夏堀雅宏

               

2.帰還困難区域で長期被曝している牛の血球数とDNA損傷 
    岩手大学農学部 佐藤至

       

3.白斑牛の経過 
    岩手大学農学部 佐々木 淳

     

【畜産復興に向けて】
4.黒毛和牛における放射性セシウムと安定セシウ...

January 1, 2019

年頭にあたり、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

私たちは、原発事故被災牛たちを継続飼育する農家の方々と協力し、現地の環境放射線測定と被ばく牛の健康調査をおこなっています。

事故から8年、原発事故の記憶も薄れがちですが、研究会関係者は牛たちの寿命が尽きるまでを目標に、調査を続けています。
牛のような大型動物の放射線影響には不明な点が多いのですが、長期間のデータを集めなければ何も分からない研究で、競争的研究資金の獲得は難しく、飼育費用の大半も農家負担という状況ですが、今年も頑張って活動したいと思っています。
     
一般の方々から見れば一見無駄とも思える畜産業が成立しない活動ですが、放っておけば森林化してゆく農地の保全や、貴重な研究データの蓄積に役立っています。
     
今年も皆様のご協力とご支援をお願いいたします。
     
また、今年も3月21日春分の日に「コラッセふくしま」で、研究シンポジウムを開催予定です。是非ご参加ください。
   
    
    
一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会
代表理事 / 北里大学名誉教授 伊藤伸彦
    
    
     
[お知らせ]
シンポジウムは、2019年3月21日(木・祝)にコラッセふくしま@福島市で開催いたします。詳細は後日、ホームページでお知らせいたします。
https://www.liffn.com/

December 31, 2018

2019年で震災から8年を迎えるいまもなお、
1万人以上が仮住まいを続け、
避難生活者が約7万人にも上る被災地。
時の経過とともに、日常を取り戻すことができた人もいる一方で、

復興への長い道のりを必死にがんばっている人もたくさんいます。

わたしたち研究会では、2011年から7年にわたり、
低線量持続被ばくの影響や土壌や空間線量の測定など、

原発事故被災地の現状を調査し研究活動を継続して来ました。

2018年12月
福島第一原発から北西へ11キロ地点および西へ6キロ地点にある、

それぞれの牧場に残されている牛たちを対象に
血液の採取、土壌や牧草の採取、空間線量の調査などの調査を行いました。

低線量の放射線による被ばくが、
動物の健康や環境・生産物の安全性に与える影響について
震災後より長期にわたって調査・モニタリングをすることによって、
牛たちが人間に与えてくれる貴重な科学的知見をまとめ、
現地の情報を発信続けることで、
福島や東北の今を考えるきっかけをつくり、

記憶の「風化」を防ぐことも必要であると考えています。


2019年も、わたしたちの調査・研究活動は継続して行ってまいります。

ニュースで見聞きする原発事故後の福島県の状況。
それだけでは被災地の現実を知ることは難しいと思います。
震災後から今まで、そしてこれからも生き続ける牛たちのために
みなさまからの応援をお願いいたします。


\ ご支援のおねがい/   

みなさまからのサポートは、最も支援が必要な牛たちの

餌や獣医療など力強い支えとなります

本研究会へのご寄付は研究には直接使われず、

研究会の活動費と動物への餌や健康管理の費用に充てられます。

詳しくはホームページをご覧ください。 

 
https://www.liffn.com/support 

October 3, 2018

記録的な猛暑となった今年の夏。

研究会で管理している牛たちで(帰還困難区域内)、一番高齢な牛は18歳、震災後に生まれた牛たちも今年で7歳になりましたが、震災から7度目の夏も牛たちは元気に乗り越えました。
    
今年の夏に帰還困難区域内で行った現地調査では、牛が生活をしている農地の空間線量と血液を採取し環境や生体など、さまざな角度からの分析・検索を重ねていました。
     
牛の健康状態や組織や血液の分析から見えてきたデータを分析することによって、低レベルの被ばくをうけている牛たちの体に「何が起きているのか、何が起きていないのか」をしっかりとモニタリングをしていくことは、その取組みだけでなく現地の情報を発信し続けることにもつながり、記憶の「風化」を防ぐことにもつながります。
      
震災後の2011年より7年近く、被災地で継続飼養されている動物の生命の質を保ちながら、放射線の長期被ばくの影響調査を続けています。
経費とともに多くの時間とエネルギーが要求される調査研究ですが、農家の方々や研究者が力を合わせ継続し取り組んでいます。
    
みなさまのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

本研究会へのご寄付は研究には直接使われず、研究会の活動費と動物への餌や健康管理の費用に充てられます。被災動物(農家)への直接支援の口座も新設しました。

▼ご支援のお願い

 https://www.liffn.com/support

    

July 30, 2018

2011年3月11日 東日本大震災と福島第一原発事故後に、原発事故の影響を解明するため多くの研究者が自らの専門性を生かして研究活動を開始しました。放射能の汚染調査や低線量被ばくによる被災生物の調査などが精力的に行われ、原発事故から7年が経つ今日も、わたしたち研究会も含めて多くの人や組織が研究を継続しています。

        

これら様々な分野の研究者が自らの研究で得られた知見を持ち寄り、自由にかつ科学的に議論する機会を設けるために、この勉強会が開催されてきました。今年は8月3日・4日に東京大学で開催されます。

自由な集まりですので、申し込み不要、参加費無料です。研究者に限らず、“勉強したい”方々の参加はどなたでも可能です。

(勉強会のためメディアの方々の取材は受け付けていません、予めご了承ください)

    

みなさまのお越しをお待ちしています。

    

◾️第5回 福島第一原発事故による周辺生物への影響に関する勉強会

2018 年 8 月 3 日(金) 13:25~17:20

2018 年 8 月 4 日(土)   8:40~16:00

東京大学 農学部 1 号館 2 階 8 番講義室

http://www.a.u-tokyo.ac.jp/campus/overview.html

1 号館 2 階 8 番講義室 

プログラムはこちら→→

         

本研究会からは以下の報告をいたします。

     

●原発事故帰還困難区域における黒毛和種牛の健康評価

 岡田 啓司 岩手大学 農学部 共同獣医学科

    

●福島県の被ばく牛における甲状腺の病理学的検討  

 佐々木 淳 岩手大学 農学部 共同獣医学科

      

●帰還困難区域の牛における放射性セシウムの汚染状況と体内分布

 佐藤 至 岩手大学 農学部 共同獣医学科

        

●福島県の旧警戒区域および帰宅困難区域内の牧場における空間線量の推移

 松館 祥子 北里大学獣医学部 

     

●黒毛和牛に対して安定セシウム単回投与後の体内動態

 島岡 千晶 北里大学獣医学部   

     

●牛におけるセシウムの体内動態に関する予測と実証

  夏堀 雅宏 北里大学獣医学部    

    

March 26, 2018

2018年3月21日(水・祝)、福島県にて開催しました公開シンポジウムには、ほぼ満席となる多くの方々ご来場いただきました。ご参加くださいましたみなさま、誠にありがとうございました。
    
    
当研究会が発足してから6回目の開催となった今回のシンポジウムは,
”生物学者がみる帰還困難区域の現状とそこに生きる牛” 
と題し、
いま被災地で何が起きているのか起きていないのかといった情報を福島県のみなさまへ分かりやすく公開するため、福島県内で開催する初めての試みでした。
    
シンポジウムには、県内のみならず、首都圏や東北一円から多くの方々に足をお運びいただきました。本当にありがとうございました。
    
この度発表した内容に関しましては、解析中のデータも含まれておりますため、学術論文として国際誌に投稿ののちに
順次,公表してまいります。
    
これからもご支援のほど,何卒よろしくお願い申し上げます。


    
   

一般社団法人  原発事故被災動物と環境研究会
事務局長
岩手大学農学部 岡田啓司

March 13, 2018

わたしたち研究会の活動を取り上げていただたきました。

ぜひ、ご覧ください。

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毎日新聞 2018.3.3 掲載
見つめ続ける・大震災 被ばくの影響を追え 福島の沿岸部

https://mainichi.jp/articles/20180303/dde/012/040/003000c

    

   

原発から20キロ圏内の旧警戒区域内やその周辺地域、海域で続く地道な調査の対象は、生物ばかりではない。 
空気・土・水を通して、さまざまな人がそれぞれの専門分野から今の福島に関わる。公金の補助を得た研究者ばかりでなく、募ったカンパや寄付で活動する民間団体もある。
     
研究者らは「どの分野もすぐに結論を導くことはできない」と語る。
観察しデータを長期にわたり蓄積するため、私生活の時間を割いてでも現場に臨む。

それぞれが抱える「なぜ」の答えを求めて。
       

写真・文 小出洋平

     

March 9, 2018

東日本大震災、福島原発事故から7年。
地震・津波と原発事故という複合災害に見舞われた福島。いまもなお、立ち入りが制限されている地域が多い中、被災地は、少しずつ色を取り戻そうと前にも進んでいます。
     
震災後、現地の農家の方々とともに獣医・畜産系や農学系の研究者が集まり地道に研究活動に挑んできた7年。これまでに得られてきた科学的なデータを読み解くことで明らかになってきたことは何か。低線量被ばくの影響ついて7年にわたる調査・研究経過などをシンポジウムで発表いたします。

   

   

●研究会の今までの活動と最新研究概要

岡田 啓司

原発事故被災動物と環境研究会 理事・事務局長、岩手大学教授

    

 2012年9月に日本獣医師会の支援によって設立された一般社団法人 ”福島第一原子力発電所事故に関わる家畜と農地の管理研究会” と、その後継組織である一般社団法人 ”原発事故被災動物と環境研究会” が行ってきた、福島第一原発事故警戒区域内における被ばく牛および牧場の学術調査の概要についてお話しします。マウスやラットの被ばく実験の報告はありますが、大型哺乳類の被ばく実験は事実上不可能であり、福島で行われている被ばく牛の調査は、世界に類を見ない貴重なデータになると考えています。“ネガティブ”な事故をなかったことにするのではなく、“ポジティブ”な人類の科学遺産に転換できればと思っています。

    

   

●帰還困難区域における環境放射線量等の評価

  1. 浪江町小丸牧場における土壌放射線量の実態と年次推移
    寳示戸 雅之                              北里大学獣医学部フィールドサイエンスセンター 教授 / 草地土壌学

  • 820m×160mの敷地を46m間隔のメッシュで区切り、2013年5月から2016年10月にわたって地表から0.3、1.0、1.5mの空間線量を電離箱を用いて測定しました。また、代表的地点において土壌サンプルを採取し、NaIシンチレーション検出器で137Csと134Csを測定しました。別に採取した100ccコアによる体積密度を併用して単位面積あたりの137Csと134Csも求めました。なお、134Csについてはサンプリング時点の値に補正しました。

  •   放射性Csの不均一な分布...

January 11, 2018

原発事故被災動物と環境研究会 2018公開シンポジウム

「生物学者がみる帰還困難区域の現状とそこに生きる牛」

〜東日本大震災・福島原発事故から7年長期低レベル放射線被ばくの影響を考える

【主催】   一般社団法人 原発事故被災動物と環境研究会

【協賛】   フジタ製薬株式会社  | 株式会社インターベット

【後援】   公益社団法人 福島県獣医師会 |  福島県大熊町 | 株式会社 福島中央テレビ

      

● 日程     2018年3月21日(水・祝)

● 時間     開場13:15 開催13:30~16:30予定

● 会場     コラッセふくしま 多目的ホール               

● 参加費  参加無料  →参加申し込みはこちら 

        

2011年3月に発生した福島第一原発事故の旧警戒区域内では,事故当時牛3,500頭、豚30,000頭、鶏675,000羽が飼養されていましたが,畜舎に繋留されたままの動物や自生野草の少ない時季に野に放された動物の多くは餓死し,生き残った家畜は国の方針により飼い主の同意を得た上で安楽殺処分が行われました。

       

このような中、岩手大学,北里大学,東北大学,東京大学等の研究者は、放射性物質による環境汚染や持続的低線量被ばくの生体影響に関する研究を震災後より継続して行っています。この地域の牛たちは毎時数マイクロシーベルトから数十マイクロシーベルトの被ばくを受けながら今日まで生き続けていますが、大型哺乳類が被ばくをしながら長期間飼育されたことはこれまで世界中にも例がなく、実験的に再現することも不可能なため、これらの牛は低線量長期被ばくの影響に関して貴重なデータを提供してくれるものです。

      

事故後7年余りが経過して一部の避難区域では避難指示が解除されるなど,復興への取り組みが徐々に成果を上げつつある中で,まだ放射線被ばくの影響に不安を感じている市民も多数いらっしゃると思います。今回のシンポジ...

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